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年季が明けたら一緒になる、と遊女と約束した男が神仏に誓った起請文を知人に見せる…

Photo by aoneko. 実は、旅人が太宰府へとうざけられたのも 藤原氏の計略のひとつだった。 しかし、この太宰府は都に対し、「天ざかる鄙」という自らの立場を一貫させていたのである。 旅人は、庭に梅を植え、それを詠じるという中国の文化をいち早く取り入れた。天平二年正月十三日に旅人の館で開かれた梅花の宴には三三人の官人が招かれた。 「わが苑に梅の花散るひさかたの天より雪の流れくるかも」 そして、次田の湯では、 遊女太宰府 鳴く蘆鶴は 我がごとく 妹に恋ふれや 時わかず鳴く」とひとり歌っている。 天平二年一二月、大納言に任せられた旅人が都へ帰ることとなった。一世を風靡した筑紫花壇も三年で幕を閉じた。あれほど望郷の思いに駆り立てられた旅人もいざというと、太宰府を去り難く、別れにあたって、涙する。見送る人々の中には遊女児島の姿もあった。 「丈夫と思へるわれや 水茎の 遊女太宰府 涙拭くなむ」 万葉集二〇巻の編者として、日本文化史上に不朽の業績を残した人である。. 神亀（七二七）、奈良の都より太宰府へ着任した太宰師大伴旅人の目の前に、若くて美しい都城の条坊が広がっていた。それは、まさしく、「天皇の遠の朝廷」と称するにふさわしい古代都市の威容だった。旅人は、天智天皇四年（六六五）、大納言大伴安麻呂の長男として生まれた。 左将軍、中務卿、中納言、征隼人特節大将軍を歴任し、六三歳という高齢をもって、太宰師に任命された。妻の大伴郎女、長男の家持ちの子供に、一族家人を伴っての大転勤である。.

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令和という元号のもとになった太宰府が人気です。その文を書いた大伴旅人ですが、実は遊女とのやり取りが残されています。 令和の元号は万葉集第５巻の序文から取られました。巻５は太宰府の大伴旅人（おおとものたびと）の家で行われた梅花の宴で詠われた歌を集めていると言われています。 その次、万葉集第６巻には、大伴旅人が遊女との別れを惜しんだ歌が残されています。 その遊女の名前は児島。記録上にある最古の売春婦とも言われています。 万葉集では遊行女婦（あそびめ、又はうかれめ）と書かれています。 遊行女婦とは、宴席に同伴して歌や踊りを披露し、請われれば夜の相手もした女性です。 大伴旅人が赴任先の筑紫（福岡）から京都に戻るとき、水城で宴が開かれました。 そこに、児島という女性も同伴しており、別れ際にこんな歌を詠んだそうです。 おほならば　かもかもせむを　かしこみと　振りたき袖を　忍びたるかも」 それに対して、大伴旅人が返した返歌が 大和路の　吉備の児島を　過ぎゆかば　筑紫の児島　おもばえむかも ますらをと　思える我や　水茎の　水城の上に　涙拭はむ 現代だと、こんな感じでしょうか？ 児島　 「あなたがそんなに、偉い人じゃなかったらよかったのに」 旅人 「どうしてだい？」 児島 「そしたら、別れるのが悲しいって、わがままも言えたと思うの。だけど、事実はそうではないから。私はそうすることはできない。だから、我慢しているのよ」 旅人 「奈良へと帰る途中、岡山に児島という地名があるんだ。そこを通る時には、きっとあなたのことを思い出すんだろうな」 児島 「本当にあなたは思い出すかしら」 大伴 「僕は自分のことを男だと思っているし、少なくとも生物学的にはそうだ。だから、別れが辛いからと言って、涙を流すわけにはいかないんだよ。たとえ男は女以上に女々しいのだとしてもね」 書いていて、なんか村上春樹っぽいなと思ったので、さらに春樹風にしてみました。 おそらくですが、二人とも本気の恋ではなく、そのやり取り自体を楽しんでいたのだと思います。（大人の男性のキャバクラ遊びみたいなものですかね） この歌からわかるように、彼女らは高い教養も持ち合わせていました。 しかし、万葉集ってのは本当に度量の深い歌集だと思いませんか？. Photo by aoneko. 神亀（七二七）、奈良の都より太宰府へ着任した太宰師大伴旅人の目の前に、若くて美しい都城の条坊が広がっていた。それは、まさしく、「天皇の遠の朝廷」と称するにふさわしい古代都市の威容だった。旅人は、天智天皇四年（六六五）、大納言大伴安麻呂の長男として生まれた。 左将軍、中務卿、中納言、征隼人特節大将軍を歴任し、六三歳という高齢をもって、太宰師に任命された。妻の大伴郎女、長男の家持ちの子供に、一族家人を伴っての大転勤である。.

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